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五七の森

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■ 毎日新聞の記事をそっくり転載したものです(無許可の為、翌日以降非オープン)

毎日新聞に、日々連載されている「季節のたより」。俳句と浮世絵と寸評があって面白い。　新聞紙上では、一面の大きな話題に押されて、目には映っても頭には入りにくい。　しかしメモ帳代わりに切り出すと、主役となる。　心に感動を与えたり、ほのぼのとした寸評にニャリと笑わされたりもする。　(ボケ防止のため転載したりファンのみ公開に切り替えたり私的に楽しんでいるページです)　

□■□■□≪選者紹介≫□■□■□

■ 坪内稔典　（俳句の選者）
　　（つぼうちとしのり、俳号ではねんてん、1944年(昭和19年)4月22日 - ）
　　俳人・佛教大学教授。京都教育大学名誉教授。愛媛県西出身。
　　正岡子規や夏目漱石の研究で知られるが、俳人歌人としても活躍。
　　俳句グループ「船団の会」代表を務める。
■ 藤原千恵子　(画像：選と構成)
　　慶應義塾大学文学部卒業。銀河社編集長。『原色浮世絵大百科事典』（全十一巻）の編纂に従事。

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膝枕ちと汗ばみし残暑かな


■ 小枝　恵美子
膝枕ちと汗ばみし残暑かな
ひざまくら　ちとあせばみし　ざんしょかな

≪ 解説 ≫

汗ばんだのは残暑のせいばかりではないだろう。

このちょっとあやしい句。
「桂米朝句集」(2011年）から引いた。

人間国宝の落語家だった作者は今年の
３月に89歳で他界した。

「打ち上げを見て帰り来て庭花火」
「うちの子でない子がいる昼寝覚め」
「日陰より日陰へ移る立ち話」

も米朝さん。

落語俳句とでも呼びたい軽妙な作だ。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･08･09）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に


■ 寺井　谷子　（たにこ）
秋暑し鯉一匹をたいらげて
あきあつし　こいいっぴきを　たいらげて

≪ 解説 ≫

今日は立秋。
季語の世界は今日から秋になる。
暑さも「秋暑し」「残暑」になるのだ。

今日の句、鯉を一匹、丸々食べて
汗を流している感じ。

あらい、鯉こく、うま煮、鱗(ｳﾛｺ）せんべい
などが目に浮かぶ。

ああ、たとえば琵琶湖の長浜あたりで
鯉料理を食べたいなあ。

今日の句の作者は北九州市に住む。
福岡・柳川あたりで食べた？

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･08･08）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に


■ 室生　とみ子
夕がほの花よりあをき月出でぬ
ゆうがおの　はなよりあおき　つきいでぬ

≪ 解説 ≫

ユウガオの花の向こうに青い月が
昇った光景。

作者は室生犀星の夫人、俳人であった。

以下は「病状六尺｣(正岡子規）の
1902年８月７日の記事。

「草花の一枝を枕元に置いて、
　それを正直に写生して居ると、
　造花の秘密が段々分かって
　来るような気がする」

寝たっきりの重病人だった子規は
宇宙の法則を感じながら草花を
描いていた。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･08･07）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に


■ 池田　澄子
夕顔やまたも何かをたべねばならぬ
ゆうがおや　またもなにかを　たべねばならぬ

≪ 解説 ≫

夕方に咲くユウガオははかなげ。

源氏物語の夕顔の巻などの影響もあって、
この花は佳人薄命の象徴になっているが、

今日の句は
そんなユウガオに反発している感じ。

ユウガオさん、あなたは楚々と咲いたけど、
私は夕飯の時間、めんどうくさいけど
夕飯の支度をするわ。

あなたに見とれてばかりもおれないの。
以上のような意味？

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･08･06）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に


■ 加藤　郁乎　（いくや）
昼顔の見えるひるすぎぽるとがる
ひるがおの　みえるひるすぎ　ぽるとがる

≪ 解説 ≫