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◆ 湖面に映るが如く ◆

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■ 与謝 蕪村
ぞうり買ふ小家うれしき潮干かな
ぞうりかう こいえうれしき しおひかな
≪ 解説 ≫
「蕪村全集」(講談社)などは以下のように
この句を読んでいる。

潮干狩りに遠出する一家が道中に履く草履を買う、
それをうれしがっている。

これでもよいが、私は次のように読みたい。

磯近くの小さな家で、磯へおりるための
草履をいそいそと買っている。

わら草履は岩などで滑らないために履く。
草履は潮干狩りの必需品である。
坪内稔典.(俳号:ねんてん
毎日新聞(季語刻々・2014・03・30)より


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■ 岡 清秀 (きよひで)
方言のだんだん強く潮干狩
ほうげんの だんだんつよく しおひがり
≪ 解説 ≫
今の時期は大潮、天気がよければ潮干狩り日和になる。

今日の句、夢中になってマテ貝でも掘っていたら、
いつの間にか故郷で潮干狩りをした少年少女の
気分に戻っているのだ。

で、例えば熊本出身の人だと熊本弁になっている。
私は干潟に行ってイソギンチャクに会うつもり。

「多分だが磯巾着(イソギンチャク)は義理堅い」

と詠んだ義理を果たす。
坪内稔典.(俳号:ねんてん
毎日新聞(季語刻々・2014・03・29)より


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■ 尾崎 紅葉
ちくちくと潮満ち来るや蘆の角
ちくちくと しおみちくるや あしのつの
≪ 解説 ≫
「ちくちくと」がおかしい。
それは潮の満ちてくるようすであり、
同時にその潮の中で芽吹いている
蘆の角(蘆の芽)のようすだ。

つまり、潮も蘆の角もちくちくして、
お互いにそのちくちくを楽しんでいる。
いかにも早春らしい。

明日から大潮。
潮の干満差が大きくなる。

河口の蘆原に行くと紅葉の句の
風景が実感できるかも。
坪内稔典.(俳号:ねんてん
毎日新聞(季語刻々・2014・03・28)より


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■ 植竹 春子 (はるこ)
日月の音立てて過ぐ蘆の角
にちげつの おとたててすぐ あしのつの
≪ 解説 ≫
蘆の芽は角のようにとがっているので「蘆の角」と呼ぶ。

春の季語だ。
また、蘆が芽ぐむことを「角組む」と言う。

今日の句、生命力に満ちた蘆の芽を前にして、
歳月の過ぎ去る早さを感じている。

もしかしたら、自分の老いを
強く意識したのだろうか。

「初蝶(ハツチョウ)のひるがへりたるあとの空」

も句集「蘆の角」(ふらんす堂)の春子の作。
坪内稔典.(俳号:ねんてん
毎日新聞(季語刻々・2014・03・27)より


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■ 石塚 友二 (ともじ)
かかなべてキャベツ玉巻く春は老ゆ
かかなべて きゃべつだままく はるはゆく
≪ 解説 ≫
「かかなべて」は日をかさねて。

今、春キャベツが豊かに出まわっているが、
その昔は春が老いる(春がたける)と
「玉巻く甘藍(カンラン)」が登場した。

それが春キャベツだった。
甘藍はキャベツの別称である。

春キャベツの手もみダラダ、
春キャベツのパスタ、
さわらの春キャベツ煮。

以上はこの春に挑んでみたい
春キャベツの料理。さて?
坪内稔典.(俳号:ねんてん
毎日新聞(季語刻々・2014・03・26)より


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