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◆ 湖面に映るが如く ◆

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■ 井原 西鶴
大晦日定めなき世の定めかな
おおみそか さだめなきよの さだめかな
≪ 解 説 ≫
西鶴の時代、大晦日は1年間の決算日。
支払いをしなければならない定めがあった。

朝井まかての小説
「阿蘭陀(オランダ)西鶴」(講談社)は、
西鶴と町内の人々が
掛取りを逃れるようすを
生き生きと描き、
次の一文で終わる。

「静まり返った夜風はもう春の匂いがした」

掛け取りがさり、除夜の鐘が鳴ったとき、
人々はほっと息をついたのだ。



解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2014・12・31)より



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■ 高橋 睦郎
小晦君を惜しむと夜も青き
こつごもり きみをおしむと よもあおき
≪ 解 説 ≫
季語「小晦」は大晦日(オオミソカ)の前日、
つまり今日を指す。

先日、小高賢歌集「秋の茱萸坂」(砂子屋書房)
が届いた。

賢は私と同年生まれの歌人だが、
今年の2月に急逝した。
葬儀のの日、雪だった。

「明日は雪の予報にこころはずみたるガラスの彼方」

1首を引いたが、あの世から彼はガラス越しに
この世を眺めているだろう。



解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2014・12・30)より



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■ 久保田 万太郎
数へ日となりたるおでん煮ゆるかな
かぞえびと なりたるおでん にゆるかな
≪ 解説 ≫
昨日は
「数へ日を塔の当麻(タイマ)に暮れにけり」(ふけとしこ)
というゆったりした句を紹介した。

昔の数え日のころは1年間の決算と
正月準備で多忙をきわめた。

今日の句はその昔の数え日の
雰囲気を伝える。

皆が忙しくしている年末の数え日、
台所かいろりでおでんが煮えている。

ダイコン、タマゴ、チクワ、アツアゲ
などがぐつぐつと。


坪内稔典.(俳号:ねんてん
毎日新聞(季語刻々・2014・12・29)より



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■ ふけとしこ
数へ日を塔の当麻に暮れにけり
かずへびを とうのたいまに くれにけり
≪ 解説 ≫
今年もあと何日、と数える年末の数日、
それを季語では「数え日」と呼ぶ。

今日あたり、まさににその数え日だが、
「塔の当麻」は塔で有名な当麻寺という意味。

奈良県葛城市の当麻寺には東塔、
西塔の2基の三重塔がある。

その国宝の塔を見上げながら、
数え日を楽しんでいるのが
としこの句。

ああ、私も塔の当麻に行きたくなった。



坪内稔典.(俳号:ねんてん
毎日新聞(季語刻々・2014・12・28)より



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■ 阿部 みどり女
耳も目もたしかに年の暮るるなり
みみもめも たしかにとしの くるるなり
≪ 解説 ≫
耳も目もまだたしか、つまり身体もつつがなく
年を超しそうだ、という句。

当年70歳の私などは、耳も目もたしかではない。

まず耳はかなり難聴が進んでいるようす。
女子大生の高い声が聞きづらい。

目はもうかなり前から老眼だ。

がんのために胃も4分の1しかない。

頭は真っ白のもじゃもじゃ。

以上年の暮れの自画像である。


坪内稔典.(俳号:ねんてん
毎日新聞(季語刻々・2014・12・27)より



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