暗誦・朗誦文化
いま、暗誦文化は絶滅の危機に瀕している。かっては、暗誦文化は隆盛を誇っていた。
つい数十年前まででも、暗誦している自分の好きな漢詩を大きな声で朗誦したり、芝居の
名ゼリフをふだんの生活のなかで口にしたりということは、とりたてて珍しいことでは
なかった。・・・中略・・・
みんなが共通の古典テキストを暗誦していることによって、ふだんのコミュニケーションにも
奥行きが出てくる。何げない日常のやり取りのなかに、ふとシェイクスピアが引用されたり、
ゲーテの言葉が引き合いに出されてりすることによって、日常の会話が深い文化・伝統に
つながり、豊かな意味が醸しだされる。・・・以後略・・・ 【出典】声に出して読みたい日本語
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ほんの一部ですがイントロだけでも覚えてみませんか
■ 方丈記・・・鴨長明
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ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、 久しくとどまりたる例なし。 世の中にある人と栖と、またかくのごとし |
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■ 荒城の月・・・土井晩翠
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春高楼の花の宴 めぐる盃かげさして 千代の松が枝わけいでし むかしの光いまいずこ 秋陣営の霜の色 鳴きゆく雁の数見せて 植うるつるぎに照りそいし むかしの光いまいずこ 今荒城のよわの月 替らぬ光たがためぞ 垣に残るはただかづら 松に歌うはただあらし 天上影は替らねど 栄枯は移る世の姿 写さんとてか今もなお 嗚呼荒城のよわの月 |
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■ おくのほそ道・・・松尾芭蕉
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月日は百代の過客にして、 行くかふ年も又旅人也。 舟の上に生涯をうかべ、 馬の口とらへて老いをむかふる物は、 日々旅にして旅を栖とす。 古人も多く旅に死せるあり。 予もいづれの年よりか、 片雲の風にさそはれて、 漂泊の思ひやまず・・・・ |
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■ 平家物語・・・作者については古来多くの説がある
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祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 おごれる人も久からず、唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。 遠く異朝とぶらえば、 秦の趙高・漢の王莽・梁の周伊・唐の禄山、 是等は皆旧主先皇の政にもしたがわず、 楽しみをきはめ、諌をも思ひ入れず・・・・ |
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このシリーズ持っています。
以前買いました・・が読み残しているのを思い出しました。
秋の夜長、又紐解いてみま〜す。
[ graychan01 ]
2008/10/28(火) 午後 8:15
返信するgraychan01 さん こんばんは
何年か前に私もシリーズで買いました。
何もすることがないときや、単に思い出した時に紐解いています。
時々、暗誦した頃の子供に戻ります。
小さい時の体験は大事ですね。
時代を越えて輝いている日本語だけに、自分の血肉にしておきたいです。
2008/10/28(火) 午後 9:47
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