すべての記事一覧 - 詳細表示 - ◆ 湖面に映るが如く ◆

ランダム

こんにちは、ゲストさん
ログイン
Yahoo!ブログを始める
Yahoo! JAPAN

すべての機能をご利用いただくためには、JavaScriptの設定を有効にしてください。
設定方法は、ヘルプをご覧ください。

全体表示

リスト
詳細

記事検索

全362ページ

[11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20]

[ 前のページ | 次のページ ]

初冬やふたつ子に箸とらせ見る


■ 加藤　暁台　（きょうたい）
初冬やふたつ子に箸とらせ見る
はつふゆや　ふたつこにはし　とらせみる

≪ 解説 ≫

　昨日、
　「小鳥らに孔子(ｸｼﾞ）の木あり冬初め」(しげき）
　を紹介した。

　落葉の始まったカイノキに
　小鳥が来ているようすは、
　素読や手習いをする子どもたちの姿を
　連想させるのではないか。

　カイノキは学問のシンボルの木だ。

　今日の句、初冬のおだやかな日の光景。

　２歳児に箸はまだ無理だろうが、
　教えたがる大人のうれしそうなこと！

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･13）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に

コメント（0）

トラックバック（0）

小鳥らに孔子の木のあり冬初め


■ 鈴木　しげを
小鳥らに孔子の木のあり冬初め
ことりらに　くじのきのあり　ふゆはじめ

≪ 解説 ≫

[孔子の木]は
カイノキ(楷樹）、ウルシ科の落葉高木だが、
孔子の墓に植えたという儒教ゆかりの木として
知られる。

岡山県備前市の旧閑谷(ｼｽﾞﾀﾞﾆ）学校、
東京都文京区の湯島聖堂、
栃木県足利市の足利学校などに
この木がある。

今日の句、句集「初時雨」(角川書店）から引いた。

1942年生まれの作者は
石田波郷ゆかりの俳句雑誌「鶴」の主宰者。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･12）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に

コメント（0）

トラックバック（0）

鐘つけば銀杏はらはら山の寺


■ 川端　康成
鐘つけば銀杏はらはら山の寺
かねつけば　いちょうはらはら　やまのてら

≪ 解説 ≫

　旧制中学時代の1916年ごろの作。

　後のノーベル賞作家の作としては
　おかしいくらい下手。

　うまかったら小説家にならなかった？

　そういえば、夏目漱石に
　「鐘つけば銀杏ちるなり建長寺」
　がある。

　建長寺は鎌倉の古刹。

　この句も寺の風景としてはとても平凡。
　康成の句は漱石句と同工異曲だ。

　彼らの下手さがなんだかうれしいなあ。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･11）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に

コメント（0）

トラックバック（0）

散りたくて風を待ちゐる大銀杏


■ 阪本　謙二
散りたくて風を待ちゐる大銀杏
ちりたくて　かぜをまちいる　おおいちょう

≪ 解説 ≫

　散りたい銀杏って、
　確かにあるかもしれない。

　一挙に散って、
　「ほら見事だろう」と
　自慢したい銀杏の木だ。

　この句、
　「良弁杉」(角川書店）から引いた。

　作者は1930年生まれ、松山市に住む。

　「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏散るなり夕日の岡に」
　は与謝野晶子の歌。

　この銀杏もやはり喜々として
　散っているようだ。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･10）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に

コメント（0）

トラックバック（0）

山の子が独楽をつくるよ冬が来る


■ 橋本　多佳子
山の子が独楽をつくるよ冬が来る
やまのこが　こまをつくるよ　ふふゆがくる

≪ 解説 ≫

　現在、季語における四季の始まりは、
　立春、立夏、立秋、立冬である。

　実際の四季感よりやや早いが、
　季節を先取りする快さ、
　それがこの区切りある。

　というわけで、この欄も
　昨日は秋、そして今日は冬。

　私(ねんてんさん）は海の子だったが
　冬になるとやはり独楽を作った。

　放課後に仲間が集まり、桜の硬い枝を
　小刀で削って作った。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･08）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

この記事に