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秋すすむあなたとわたしは味の素


■ 寺田　良治
秋すすむあなたとわたしは味の素
あきすすむ　あなたとわたしは　あじのもと

≪ 解説 ≫

　句集「こんせんと」（編集工房ノア）から

　「あなたとわたしは味の素」
　という言い方が庶民的、
　しかもなんとなくおかしい。

　かって私(ねんてんさん）も

　「春の坂丸大ハムが泣いている」
　「春の暮御用御用とサロンパス」

　などと作った。

　会社や商品の名前はある意味で
　時代の先端の言葉、
　俳句で大いに使っていいのではないか。

　秋がすすみ明日はもう立冬だ。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･07）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

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うつくしや障子の穴の天の川


■ 小林　一茶
うつくしや障子の穴の天の川
うつくしや　しょうじのあなの　あまのかわ

≪ 解説 ≫

　江戸時代の俳句に出る星は
　もっぱら天の川。

　白鳥座（秋の季語）などの星座は
　まだ登場しない。

　一茶の句、視点が斬新、
　しかもとても庶民的。

　斬新さと庶民性は俳句の２大要素と
　見てよい。

　「もちっとで手がとどくなり天の川」

　も一茶。

　「もちっと」という俗語が庶民的だが、
　星に手が届くという発想は
　手あかのついた表現だろう。

◆画像出典：無料イラスト【7月】天の川　七夕　うさぎちゃん

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･06）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

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寝袋の羽毛ささめく白鳥座


■ 小川　軽舟　（けいしゅう）
寝袋の羽毛ささめく白鳥座
ねぶくろの　うもうささめく　はくちょうざ

≪ 解説 ≫

　白鳥座は秋の季語。
　
　俳句日記「掌をかざす」(ふらんす堂）
　の2014年11月５日の句。

　以下の記事がある。

　「二十代から三十代初めにかけて
　　　山に登った。
　　　　
　　　　（略）
　
　　　秋の剣岳(ﾂﾙｷﾞﾀﾞｹ）を一人で縦走して
　　　熊の親子に出くわしたこともあった。
　　　今でも両脚の向う脛(ｽﾈ）にそのときの
　　　痕が残っている。
　　　熊に襲われたのではなく、
　　　慌てて木の根にぶっつけたのだ」

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･05）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

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茸やく松葉くゆらせ山日和


■ 杉田　久女
茸やく松葉くゆらせ山日和
きのこやく　まつばくゆらせ　やまびより

≪ 解説 ≫

　山日和は行楽にふさわしい山の上天気。

　茸の香りが漂ってくる句だが、
　この茸、何だろう。

　海辺育ちの私(ねんてんさん）には
　茸になじみがない。

　それでもシイタケだけはよく食べた。

　母がシイタケを食べると
　頭がよくなると信じており、
　何かにつけて子どもたちに
　シイタケを食べさせたのだ。

　坪内の子はシイタケ育ちよ、
　と親戚のおばちゃんは笑った。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･11･04）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

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きのこのシチューして老夫婦とかをして


■ 野本　明子
きのこのシチューして老夫婦とかをして
きのこのしちゅうして　ろうふうふとかをして

≪ 解説 ≫