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◆ 湖面に映るが如く ◆

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■ 長谷川 双魚
冬去りぬうぶすなの木に子がのぼり
ふゆさりぬ うぶすなのきに こがのぼり
≪ 解 説 ≫
「うぶすな」は故郷。

子どもが故郷の木に登ったら
冬が去った証拠だという句。

そういえば、私も気によく登った。

家の裏の神社の森にヤブツバキがあって、
一面にカズラがまつわりついていた。

だから、ツバキのてっぺんで
あおむけに寝ることができた。

ツバキの花をちぎって蜜を吸いながら
空を眺めた。

なんともいい気分だった。


選者・解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・31)より

ご参考→ ■ 現代俳句協会ホームページ

.

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■ 中原 道夫
冬逝くにカーテンコールなどは無し
ふゆゆくに かーてんこーる などはなし
≪ 解 説 ≫
暦の上では冬が終わりに近づいている。
2月4日はもう立春だ。

今日の句、
冬が去ってゆこうとしても、
誰も呼びも戻したりしない、
と言っている。

私もカーテンコールをしようとは
思わない。

でも、冬があるから春が待ち遠しい。

植物に至っては寒気を経験することで
芽を出したり花を咲かせたりする。

冬をやはり惜しんでやろうか。


選者・解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・30)より

ご参考→ ■ 現代俳句協会ホームページ

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■ 草間 時彦
年寄は風邪引き易し引けば死す
としよりは かぜひきやすし ひけばしす
≪ 解 説 ≫
思わず笑ってしまったが、でも、
この句は一理を言い当てている。

風邪は万病のもと、というが、
老人にとっては「引けば死す」
怖い病気。

くれぐれも注意して風邪を予防したい。

今日の句は作者が80代に出した
句集「瀧の音」(2002年)にある。

こういうことでも俳句になるのか、
という意外な感じ。
それがこの句の見どころである。


選者・解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・29)より

ご参考→ ■ 現代俳句協会ホームページ

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■ 佐藤 文香
感冒や気持ちの傍にジャムを置き
かんぼうや きもちのかたに じゃむをおき
≪ 解 説 ≫
季語「感冒」は風邪、
あるいはインフルエンザである。

今日の句、
風にかかってジャムが
ほしくなっている。

ジャムがあると安心するのだ。
私の場合はリンゴである。
それもガーゼでこしたジュース。

リンゴジュースを飲むと
風邪はすぐ治る気がする。

文香は1985年生まれの俳人。
句集「君に目があり見開かれ」(港の人)
から引いた。


選者・解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・28)より

ご参考→ ■ 現代俳句協会ホームページ

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■ 波多野 爽波 (そうは)
手が冷た頬に当てれば頬冷た
てがひえた ほおにあてれば ほおひえた
≪ 解 説 ≫
「冷た」は冷たいよ。
手が冷たいなあ、おお、頬も冷たいよ、と
たとえば父が子に触れている感じ。

もちろん、恋人たち、
あるいは夫婦のこととして
読んでもよい。

この句、万葉集の次の東歌(アズマウタ)を
連想させる。

「稲搗(ツ)けばかかる我(ア)が手を今夜(コヨイ)もか
 殿の若子(ワクコ)が取りて嘆かむ」

「かかる我が手」は
あかぎれのできた私の手。

若子は若様。


選者・解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・27)より

ご参考→ ■ 現代俳句協会ホームページ

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