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◆ 湖面に映るが如く ◆

書庫上村松園

私を生んだ母は、私の芸術までも生んでくれた

一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い
 珠玉のような絵こそ 私の念願とするところだ

上村松園
■.誕生.明治、8年(1875年)4月23日、
  父:上村太兵衛(2ケ月前死去)、母:仲子の次女(本名:津禰)
■.死去.昭和24年(1949年)8月27日、奈良、唳禽荘(れいきんそう)
  にて没、享年:74歳
立志伝には、いつもそれを支えて、実現を助けた人々の物語があるが、
松園のそれは、母:仲子(なかこ)であった。
この母に、松園(本名.津禰.つね)は家事全般を委ねただけでなく、
制作の上でも、しばしば救われている。
偉才を見抜いた母親の予見とその愛情に応えた松園の作品の見事さには、
ただ息をのむばかりだ。
思う存分絵を画かせてくれた母、世の中のことをすべてガードしてくれた母を、松園は昭和9年(1934年)二月に失った。
「自分の芸術までも生んでくれた母」と思い、
母を置いては、一泊の旅行すらしなかった松園の嘆きは、大きかった。・・・
  【 出 典 】
 ■ タイトル : 『 もっと知りたい上村松園 (生涯と作品) 』
 ■ 著 者  : 加藤類子著
 ■ 発行所  :(株)東京美術
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詠 哥

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≪ 松園の偉才を改めて感じます am_05 p71 ≫
優雅に歌を詠む御所風俗の女性

詠 哥

 昭和17年(1942) 絹本着色・軸装・66.0 x 72.0cm・山種美術館蔵

美人画の画題は、舞妓、芸妓、遊里の仲居や遊女、御殿女中、大原女、
家庭婦人と多彩だが、江戸と上方ではさざまな違いがあった。

例えば、御殿女中の風俗などもそうだが、
京都では御所勤めをする女性は、打掛の礼装に島田の優雅な姿に画かれた。

島田髷は江戸中期以降のポピュラーな髪形だが、御所勤めの女性のそれは、
「椎茸髱(しいたけづと)」と 呼び、独特の丸い形をしている。
また、打掛の中の小袖も、地色の赤いものという決まりを、
忠実に踏襲していたようである。

砂子の(すなごの)短冊と筆をたずさえて、歌を思案している美女。
季節は秋ではないか。

                  加藤類子著(上村松園:東京美術発行)




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四季美人 志ぐれ 春 雪 序の舞


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詠 哥 春 秋 娘深雪


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美人之図 雪吹美人図 菊 寿 男舞之図


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序の舞

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≪ 松園の偉才を改めて感じます am_00 p54 ≫
何ものにも犯されない女性の気品を描く

序の舞

 昭和11年(1936) 文展招待展 絹本着色・軸装・233.0 x 141.3cm・東京藝術大学蔵

この作品は現在、国の重要文化財に指定されている。
松園の代表作として広く知られている作品である。

松園の持論であった

「一点の卑属なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のやうな絵こそ
 私の念願とするところのものである」

「その絵をみてゐると邪念の起こらない、
 またよこしまな心を持ってゐる人でも、
 その絵に感化されて邪念が清められる・・・・・といった絵こそ
 私の願ふところのものである」

(『.青眉抄.』)は、どの松園の作品についても
当てはまる言葉であるが、その言葉の具現が、この作品だと言える。

                  加藤類子著(上村松園:東京美術発行)




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四季美人 志ぐれ 春 雪 序の舞


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春 雪

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≪ 松園の偉才を改めて感じます am_03 p60 ≫
現代にも通じる江戸末期のファッション

春 雪

 昭和12年(1937)絹本着色・軸装・151.5x57.6cm・大松美術館蔵

小雪模様の朝、高下駄で急ぎ行く芸妓だろうか。
路考茶の縞模様、黒襦子裏の二筋縞の帯など、
かなり地味な装いだが、江戸の末期は華やかな江戸前期とは対照的に、
地味な中で、あでやかな 紅絹の長襦袢といった、玄人的なお洒落が流行した。
松園はそれを実によく研究していた人である。
                  加藤類子著(上村松園:東京美術発行)




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志ぐれ

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≪ 松園の偉才を改めて感じます am_02 p60 ≫
梢の紅葉を想わせる町娘

志ぐれ

 昭和11年(1936)絹本着色・軸装・159.0x55.8cm・水野美術館蔵

浮世絵では京の西川祐信(すけのぶ)江戸の宮川長春(ちょうしゅん)
らが活躍した頃、

歌舞伎役者では、
京から江戸に下った嵐小六(あらしころく)(後の嵐三右衛門)の演じた
「夢結ねぐらの蝶」の女房役、お房の衣装から、斜めの縞模様が大流行した。

晩秋の時雨の中を行く若い娘、紅葉の華やかさを思わせる。

                 加藤類子著(上村松園:東京美術発行)




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松園作品のいずれも部分です

そんな母親の予見と愛情に応えた松園の作品の見事さには、
ただ息をのむばかりだ。

部分だけを見ても その構図、色、グラデーション、曲線、繊細さには
驚きと感動を禁じえない。

展示品では、近くへ寄ったり、離れてみたり、解説を読んだり、
釘付けになってしまった。

パソコンの画面では、所詮、コピーでしかない。
やっぱり本物はすごい。


https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_0?1211855600
四季美人

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_1?1211855600
志ぐれ

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_2?1211855600
春 雪

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_3?1211855600
序の舞

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_4?1211855600
詠 哥

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_5?1211855600

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_6?1211855600
春 秋

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_7?1211855600
娘深雪

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_8?1211855600
美人之図

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_9?1211855600
雪吹美人図

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_10?1211855600
菊 寿

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/a0/muhuninaninasi/folder/811243/img_811243_23482301_11?1211855600
男舞之図

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出     典

≪ABCアートビギナーズ・コレクション≫

もっと知りたい 上村松園 生涯と作品 定価:1600円+税

■□■□ 著者など紹介 □■□■

■.著者・・・・・ 加藤、類子



■.発行者・・・ 谷、昌之



■.発行所・・・(株)東京美術



■.編集・・・・・(株)見聞社



■.印刷・製本
・・・・・・・・・・・・大日本印刷(株) 
著者・・・加藤、類子(かとう・るいこ)
京都市生まれ。
1961年、同志社女子大学英文科卒業。
1963年、国立近代美術館京都分館学芸課に勤務。
1991年、同館主任研究官。
1998年4月、池坊短期大学教授。
2004年、同校退職。
他に、京都造形芸術大学非常勤講師など。
主な著書
『虹を見る−松園とその時代』(京都新聞社)
『京都日本画の回想』(京都新聞社)
『土田麦僊』(アサヒグラフ別冊) 
『現代日本素描全集・土田麦僊』(ぎょうせい) 
『上村松園画集』(共著・京都新聞社)
などがある。 

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