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一日の終わり冬瓜のそばにいる


■ 香川　昭子
一日の終わり冬瓜のそばにいる
いちにちのおわり　とうがのそばにいる

≪ 解説 ≫

冬瓜は「とうがん」とも呼ばれる。

わが家（ねんてんさんの家）ではカバでもある。
大きな冬瓜を居間にころがし、
目鼻を書いてカバにしているのだ。

この冬瓜のカバ、冬至の前後に
吸い物、煮物、あんかけなどにしていただく。

今日の句の冬瓜はどこにあるのか。
台所か居間？

それはともかく、冬瓜のそばで
一日の終わりを迎えるなんて
いいなあ。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･10･22）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

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無花果の一つおおきが愚に甘き


■ 野澤　節子
無花果の一つおおきが愚に甘き
いちじくの　ひとつおおきが　ぐにあまき

≪ 解説 ≫

「愚に甘き」は
めろめろになりそうなくらいに甘い。

確かにイチジクは
「愚に甘き」果物だ。

国内のイチジクの８割は桝井ドーフィン
という品種。

これは桝井光次郎さんが明治時代に
アメリカから持ち帰ったものだが、
関西以西には在来種と言われる
ホウライシ(蓬莱柿）がある。

漢字が示すようにイチジクは柿の一種と
見なされていた。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･10･21）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

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無花果はジャムにあなたは元カレに


■ 塩見　恵介
無花果はジャムにあなたは元カレに
いちじくは　じゃむに　あなたは　もとかれに

≪ 解説 ≫

この句は元カノの気持ちになって
作ったものか。

イチジクがジャムになったように
あなたは元カレになった、
もう事態は変わったよ、というのだ。

「元カレ」「元カノ」などは
テレビドラマで使われて広まった言葉。

バツイチ、バツニなどと同様に、
うまく使えば深刻さをそいで
事態を軽く明るくする。

恵介さんは私(ねんてんさん）の若い俳句仲間。

選者及び解説は、坪内稔典（俳号：ねんてん）氏

◇出典：毎日新聞（季語刻々・2015･10･20）

ご参考①→ ■ 現代俳句協会ホームページ

ご参考②→ ■ 至遊さんの句あれば楽あり

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天上の声の聞かるる秋うらら


■ 野田　別天楼　（べつてんろう）
天上の声の聞かるる秋うらら
てんじょうの　こえのきかるる　あきうらら

≪ 解説 ≫