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◆ 湖面に映るが如く ◆

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■ 高田 正子
白息をゆたかにかへすありがとう
しろいきを ゆたかにかえす ありがとう
≪ 解 説 ≫
ありがとう、という返礼。

それを豊かな白い息といっしょに
返したという句。

作者は1959年生まれ、
川崎市に住む。

今日の句は句集「青麗」(角川学芸出版)にある。

こころ、おはよう、ありがとう
などの挨拶が苦手だった。

口の中でぼそぼそっと言っていた。

70代になってやっと素直に
言えるようになった。

私はおくて?


解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・08)より

ご参考→ ■ 現代俳句協会ホームページ

.

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■ 松尾 芭蕉
乾鮭も空也の痩せも寒の中
からざけも くうやのやせも かんのなか
≪ 解 説 ≫
この句の空也は鉢たたき、
すなわち空也僧を指す。

彼らは鉢をたたきながら
念仏、和讃(ワサン)を唱えて
洛中洛外を巡った。

もっとも、私はこの句の空也から
六波羅蜜寺の空也像を連想する。

「 仏吐く空也上人木像の
   肩もこらむも筋肉光る 」

は私の短歌だが、空也上人の象は、
全身が筋肉質、寒中の町をまさに
跳ぶように歩いている気がする。


解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・08)より

ご参考→ ■ 現代俳句協会ホームページ

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■ 藤井 冨美子 (ふみこ)
染め糸の紺に乾きし寒の空
そめいとの こんにかわきし かんのそら
≪ 解 説 ≫
乾く糸の紺色、そして寒晴れの
空も真っ青。

糸は空の色にも染まったのだ。

今日の句、
「藤井冨美子全句集」(文学の森)から引いた。

作者は1931年生まれ。
16歳から俳句を作ってきて今83歳。

和歌山市に住み、50年以上も
毎日新聞紀州俳壇の選者をしている。

「ただ今のいのち預ける寒椿」
も冨美子。

2月3日まで時候は寒中である。


解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・08)より

ご参考→ ■ 現代俳句協会ホームページ

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■ 炭 太衹(たん たいき)
七草や兄弟の子の起きそろひ
ななくさや きょうだいのこの おきそろい
≪ 解 説 ≫
この起きてきた兄弟は七草をはやす。

呪文を唱えながらまな板の上で
七草をたたくのである。

その昔の行事にならった、わが家では
かって次の句を娘たちに唱えさせた。

「せりなずなごぎょうはこべら母縮む」
「ほとけのざすずなすずしろ父ちびる」

母や父の箇所では娘は声を張り上げ、
勢いよく包丁をまな板にたたきつけた。

句は私の作。



解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・07)より



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■ あざ 蓉子
七草の影のごときを摘みにけり
ななくさの かげのごときを つみにけり
≪ 解 説 ≫
「君がため春の野にいでて若菜摘む
 わが衣手に雪はふりつつ」(「古今和歌集」)。

この歌、「百人一首」にも採られている。

今日のこの句はこの歌を意識し、君のために
「影のごとき」を摘んだのではないか。

今は冬のさなか、七草を実際に摘むのは無理だ。

わが家では今日、近所のスーパーで七草セットを
買って明日にそなえる。



解説は、坪内稔典(俳号:ねんてん)氏
毎日新聞(季語刻々・2015・01・06)より



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