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書庫日々雑感

「STAP細胞」は何がすごいのか? 世界の科学者はこう見る
                                               1月31日(金)8時20分配信
 
1月29日、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の
研究チーム(研究ユニットリーダー・小保方晴子さん)が
「体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見」
したと発表しました。
これは2012年にノーベル賞を受賞した山中伸弥(京大教授)が作製した
iPS細胞(人工多能性幹細胞)とは異なるアプローチで体細胞の万能細胞化を実現させた画期的な手法です。
それはどのようなものでしょうか。
.
「分化した細胞は変化しない」という常識覆す 研究チームが発表した細胞は
「刺激惹起(じゃっき)性多機能性獲得(STAP=スタップ)細胞」といいます。
これは「細胞外刺激による細胞ストレス」によって、動物の体細胞の分化の記憶を消去し、
万能細胞へと初期化させる方法です。
  細胞外刺激の方法は、酸性の溶液に浸すというもの。
酸性水溶液に浸すだけで、細胞がもつ分化のメモリがリセットされるという発見は画期的なものでした。
理研のリリースでは次のように説明されています。
 
 「哺乳類の発生過程では、着床直前の受精胚の中にある未分化な細胞は、
体のすべての細胞に分化する能力(多能性)を有しています。
ところが、生後の体の細胞(体細胞)は、細胞の個性付け(分化)が既に運命づけられており、
血液細胞は血液細胞、神経細胞は神経細胞などの一定の細胞種類の枠を保ち、
それを越えて変化することは原則的にはありません。
即ち、いったん分化すると自分の分化型以外の細胞を生み出すことはできず、
分化状態の記憶を強く保持することが知られています」
 
  この常識が覆されたのです。世界中の科学者もこの研究成果に注目するようになりました。
.
酸性条件が細胞のリプログラミングを誘導
「酸性条件が細胞のリプログラミングを誘導するのは驚くべきことです。
ただ、実際のところSTAP細胞は(幹細胞の重要な性質である)自己再生能力が限定されているので
(ES細胞やiPS細胞と異なり)、本当に幹細胞と呼ばれるべきではないでしょう。
その上、特徴的な遺伝子の発現や分化できる細胞の種類において、
STAP細胞はES細胞やiPS細胞と比べて多くの点で異なっています。
それにもかかわらず、少なくとも多能性に関する性質は持っているようです。
そのため、ES細胞やiPS細胞とさらに似た状態にできることを示すことも重要になります。
  本当に興味をそそられるのは、どのようにして酸性条件がリプログラミングの引き金になるのか、
ということです。
つまり、レモンや酢によっては起こるが、コーラによっては起こらないのか、ということです」
(ロビン・ラベル=バッジ教授 英MRC国立保健研究研究所、幹細胞生物学と発生遺伝学部門の部門長)

ヒトにもあてはまるのか
「血球細胞を一時的に低pH下に置くことで多能性細胞に変換できると示したことは、注目に価します。
今回の細胞は、いくつかの点において、胚性幹(ES)細胞とは異なる性質をもっています。
『(試験管内で)ほとんど自己増殖できない』、『ES細胞は胚盤胞に導入しても胎盤組織には分化しないが、
今回の細胞は胎盤も形成できる』といった点です。
実験はマウスによるものですが、ヒトでもあてはまるのかを検証をすると、
より興味深いと思います」
(フィオナ・ワット教授 ロンドン大学 キングスカレッジ 幹細胞・再生医療センター)
.
幹細胞生物学の新たな時代開く
「論文は画期的であり、幹細胞生物学の新たな時代を開くものです。植物と同じように、
ほ乳類の細胞であっても細胞の分化には環境要因が決定的な役割を果たすのです。
生まれたばかりのマウスから採取した細胞を適切な環境に置くことで、胚性幹細胞の性質を持ち、
マウスの胚の形成にも用いることができます。
  この手法は革命的なものです。科学者がこれまでに試みてきた、
ゲノムと環境の相互作用という手法とは根本的に異なります。
しかし、この成果によって幹細胞が臨床応用に近づくというわけではありません。
今回の手法で作成された細胞に対しても、これまでの手法で作成されたものと同じように
予防措置をとる必要があるでしょう」
(デュシュコ・イリック博士 ロンドン大学キングスカレッジ幹細胞講座准教授)
.
最も簡単でコストを抑えられる方法
「小保方先生が開発した技術は、成熟した細胞から多能性細胞を作るために
最も簡単でコストを抑えることが可能な方法です。
ヒトの細胞でも使えるようになれば、患者自身の細胞を使って細胞治療ができるようになるでしょう。
オーダーメイド治療の時代が、ようやく到来することになると思います。
  またもや、日本の研究者が体細胞を多能性細胞に作りかえるルールを書き換えたともいえます。
まず、2006年に発表された山中伸弥先生のiPS細胞の技術。
そして今回は、成熟細胞を一時的に酸性溶液に入れるだけで、
より簡単で短時間に作製する方法の発見です。 
こんなに簡単にできるのかと考えてしまうほどです。
  成熟細胞から多能性細胞を作るために酸性溶液が役立つとは、誰も考えていませんでした。
すばらしい発見です。
しかし、この発見によって再生医療で使われている幹細胞が、
iPS細胞からSTAP細胞に代わるとは限りません。
同じ意味で、iPS細胞が開発された後でも1998年に発見されたES細胞を使い続ける研究者もいます。
ただし、こうした知見が蓄積することで、さらなる発見を促したり、臨床までの時間を早めたりできます。
例えば、ES細胞の発見から初の臨床試験までは12年かかりましたが、iPS細胞は6年でした。
そう考えるとSTAP細胞はもっと早く臨床試験にたどりつくかもしれませんが、
臨床ベースで使うにはまだ多くの年月が必要だと思います」
(クリス・メーソン教授 英・ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン再生医療バイオプロセス学科 教授)
.
 今回はマウスの体細胞を利用したものでしたが、ヒト細胞での作製に成功すれば、
再生医療や創薬、老化やがんの研究などに役立つことでしょう。今後の研究成果に期待したいですね。

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